下関市議会が終わりました
日本共産党市議団は新年度予算のうち、「一般会計」、「港湾特別会計」、「競艇事業特別会計」、「国民健康保険特別会計」、「介護保険特別会計」、「後期高齢者医療特別会計」、「水道事業会計」及び「中央病院会計」に対して反対しました。28日、市議会最終日に私が市議団を代表して反対討論を行いました。要旨を紹介します。
反対理由の第1…市民基点から逸脱
市庁舎整備は、「建て替えない」という市長の選挙公約からの大きな逸脱であるということは明白です。市長は「公約の一部変更」と言われますが、語句的には99部でも一部であり、公約の全部変更に近いものです。公約は政治家にとって瞳のように大切にしなければなりません。もし市長の公約と市民世論に隔たりが生まれたと言うのならば、住民投票などによって市民の意思を確認するのが現代の民主主義のあり方です。
また、市庁舎整備の基本計画は未だ議会にも市民にも明らかにされていません。基本計画もないまま巨額の金が計上され、庁舎建て替えを前提として教育委員会棟などを空室していますが、このようなことはかつてありません。
中央病院問題も同様です。全議員に職員組合から手紙が送られているように看護師など市職員との合意は未だありません。それなのに独法化を進めようとしています。これも前代未聞です。これでは市長は「ワンマン社長」です。
反対理由の第2…ムダな大型事業推進し福祉や防災を軽視
市庁舎、下関駅建て替えや人工島工事などムダな大型公共事業を推進し、地方自治体の本来の目的である福祉や防災を軽んじた予算になっていることです。
極めて深刻な不況のもとで市民の願いは、景気の回復と安心できる市民生活です。水道料金や国民健康保険料の引き上げは、市民生活を苦しめ、同時に可処分所得の低下によって地域経済を更に深刻にすると私たち市議団は、一貫して主張してきました。
ところが新年度も国民健康保険料の引き上げや福祉制度の後退が見られます。
また、東日本大震災を受けて下関の防災はどうなっているのかが鋭く問われていますが、例えば、学校の耐震化補強工事は、全国の中でも最も遅れている市のひとつとなっています。ところが新年度もわずか10棟です。
このように地方自治体本来の目的をなおざりにしながら市民の批判の強いムダな大型開発計画を推進することなど許されるものではありません。
総額400億円を超えるムダな大型公共事業は中止や見直しを行い、その財源は、地域経済の活性化や特別養護老人ホームの待機者解消、福祉、防災に思い切って回すべきです。
反対理由の第3…市民生活に悪影響、将来の財政危機招く
財政が厳しいときは「返す以上に借らない」が基本方針です。だが市庁舎などによって多額の借金、即ち起債を行います。このことは、本来、市民が必要としていた市民生活密着の公共事業の削減につながります また、巨額な借金は、「返済能力」を超えることが起きない保証はありません。
次の世代に負の遺産を残さないために、多額の借金政策はやめるべきです。
新消防庁舎 津波は大丈夫?
下関市の消防庁舎は阪神震災の後、耐震性などに問題があり新築が適当とされています。
現在、岬之町の港湾用地での建て替え計画が進んでいますが、今回の東日本大震災を受けて心配されるのが津波問題です。
台風によって起きる高潮は襲来に時間的な余裕があり体制づくりにそれなりの時間がありますが、津波は「一瞬」です。消防庁舎が海岸部にあることは心配です。
下関で津波の心配があるのは図のような南海地震で、紀伊半島の熊野灘沖から四国南方沖を震源とする周期的な巨大地震です。これまでもM8級の海溝型地震が100 ~ 150年周期で起き高知県周辺では再々、大災害となっています。21世紀中の発生が予想されると政府機関も発表しています。
現計画の海岸部でよいのか、徹底した検証が必要です。
3月市議会個人質問会派別ランキング | ||||
会派名 | 議員数 | 発言可能議員数 | 延発言数 | 1人平均 |
共産党市議団 | 3 | 2 | 28 | 14 |
志誠会 | 11 | 9 | 11 | 1 |
公明党市議団 | 5 | 3 | 12 | 4 |
関政クラブ | 5 | 4 | 5 | 1 |
Team政策 | 4 | 3 | 0 | 0 |
市民連合 | 3 | 2 | 12 | 6 |
(無所属) | 3 | 3 | 28 | 9 |
議長や代表質問者は発言を控えるようになっていますので会派の議員数から差し引いた数を発言可能議員数としています。 |
コメント
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