21年前の下関考古博物館開館の記念講演は、27日に逝去した三笠宮だったと思う。
今、改めて「平和と自由を愛した歴史学者」三笠宮を各誌が紹介している。
戦前、陸軍参謀として中国・南京に赴任。そこで日本軍の残虐行為に驚き、日中戦争に疑問を呈し、「誰も言わなければ自分が言う」と幕僚に「内省」と「自粛」を促したとのこと。勇気ある態度だ。
戦後は新憲法の「戦争放棄」を積極的に支持。「紀元節」復活を目指す動きにも歴史学者として反対したとのこと。
「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵られた世の中を、私は経験してきた。それは過去のことだと安心してはおれない」とも述べたとのこと。
国民の正義と平和のために、活動し命をささげた戦前の日本共産党員をも慈しんでいるような言葉ではないか。「赤い皇族」と呼ばれた所以か。
時を同じくするように、キリスト者の三浦綾子の小説「母」を映画化したので下関でも上映してほしいとの連絡あり。
戦争に反対し小説を書き権力に殺された小林多喜二の母を描いたものだ。
平和のために、宗派の違えを越え、その一点で大きな輪ができる時代だ。
田の首八幡宮
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