日本共産党下関市議団は、11月6日、来年度予算要望を下関市長に提出しました。
2021年度下関市予算に対する要望書
◎市政運営に当たっての要望事項
1.市政運営は、「地方自治の本旨」に基づき、国が進める自治体政策(行政サービスと公共施設等の「集約化」と「広域連携」等)を無批判に受け入れるのではなく、地域振興や災害対策など「住民福祉の機関」としての役割を最優先した市政運営を行うこと。 2.市民協働参画条例にも定められているとおり、「市政の主人公は市民である」という基本理念の下に、直接市民と話し合いの場を持つ等広く市民の意見を求める努力を行うこと。各種会議を開催する場合には、会議の告知を行うとともに、市民に情報の提供を適宜適切に行うこと。 ①住民自治によるまちづくり推進については、住民が主体となる活動を基本にしながら、住民の要望に対しては全面的に支援すること。 ②現在、進められている公共施設マネジメント及び立地適正化計画などについては、市民本位に立脚しておらず、市民サービスの低下をもたらすとともに、旧4町の更なる疲弊を招くことにつながる。行政の効率化や「財政先にありき」ではなく、今住んでいる地域で住み続けられるように計画を見直し、市民と十分な協議を行い、旧4町を含め活性化につながる計画とすること。 ③少人数学級を求める要望は、全国知事会・全国市長会・全国町村長会の地方3団体をはじめ、全国校長会や日本PTA全国協議会からも上がっており、文部科学大臣も少人数学級実現に意欲を示している。こうした状況をふまえ、身体的距離を確保するためにも、現行の35人学級を前提にした本市の「適正規模・適正配置事業」は一旦凍結すること。 ④市民負担の増大につながる「財政健全化」はやめること。財政健全化は無駄な大型公共事業を中止するなどして達成すること。また、長期財政計画について詳しく市民に公表し討議すること。9月定例市議会では「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方財政の急激な悪化に対して地方財源の確保を求める意見書」を採択した。市としても国に対して必要な地方財政措置を強く求めること。 3.憲法9条改悪反対、消費税率の引き下げなど、国政に対する市民の世論を率直に国に伝えること。また、わが国は唯一の戦争被爆国であり、本市は非核平和宣言都市であるだけでなく、来年1月には核兵器禁止条約が発効する。核兵器のない世界をめざし、国際非核署名等に協力すること。 4.自然災害が頻発化・大型化している中で、「安心・安全の街づくり」を都市整備の基本にすえること。災害リスクの低いところに人口を誘導し、良好な住宅ストックを形成するとともに、災害リスクの高い地域の開発は抑制する方向で各種施策を進めること。地震、豪雨、台風などの災害に対応する避難場所や分散避難の徹底を図るとともに、分散避難者への支援にも努めること。自治会等の防災の取り組みに対する積極的支援や避難所の環境を向上させること及び福祉避難所の数を増やすことなど、災害対策を強化すること。 5.今回のコロナ危機の経験を通じて、感染症から市民の命を守るためには、医療機関と保健所の体制強化こそ急務とはっきりした。総合病院の統廃合計画は撤回し、増員や研修などで体制の強化を図ること。また、豊田中央病院を過疎地域及び菊川町の中核的病院として存続・拡充させるとともに、厚生労働省に対し、統廃合計画のリストから豊田中央病院を外すよう要請すること。 6.続けたい人、始めたい人すべてを対象とする本市独自の農林漁業担い手支援策を拡充すること。 7.下関北九州道路建設計画は、かつて国も無駄な事業として調査を行わないとしてきた事業である。建設に膨大な費用が掛かるが、費用対効果の検証もない。下関側において中国自動車道へどうつなぐかが未定のまま見切り発車することは許されず、市民に十分な情報を提供しないまま建設計画を進めないこと。人工島の埋め立て事業を含めて無駄な大型公共事業を中止し、自治体本来の目的である福祉の増進に努めること。 8.「あるかぽーと開発」計画は、当初の計画どおり臨海公園を基本に開発を行うこと。また、改めて市民の意見を聴くこと。 9.自衛隊や米軍艦船の下関港への寄港の受け入れは、非核平和宣言都市にそぐわず、東アジアとの交易拡大をめざす本市の方針に逆行するものである。馬関まつりなどに商港である下関港に自衛隊艦船が入港しているが、今後寄港を認めないこと。 10.再生可能エネルギーの活用は必要だが、安岡沖に計画されている洋上風力発電や陸上設置の室津吉母風力発電は、健康被害、環境破壊の可能性などさまざまな問題を抱えている。市は市民の意向を尊重した対応を行うこと。市内各地に設置が進む小規模太陽光発電についても、地球温暖化対策として重要ではあるが、市民の安心・安全を確保できるよう、設置に関する条例を設けること。 11.白滝山の風力発電機更新事業に対する経済産業省の対応変化の理由説明を求めること。粟野川水生生物激減の原因究明と生態系回復対策を山口県および政府関係機関に求めること。 12.日韓関係を正常化させ、本市と姉妹都市である釜山広域市との友好関係を発展強化させる必要がある。韓国政府と外交による関係改善の努力を図るよう、政府に要請すること。釜山広域市に対して、今後も友好と協力という両市の関係を継続・発展のメッセージを送ること。また、朝鮮通信使など日韓の交流の歴史などを広く市民に伝えること。 13.市立大学で行われている一部理事者による教職員や学生の同意を得ない強権的な運営を大学設置者として改めさせること。また、その原因となった経済学部のみの市立大学になじまない専攻科や特別課程設置をともなうインクルーシブ教育推進の指示を撤回すること。 14.今年度から始まった会計年度任用職員制度について、貧困と格差の拡大を是正するため、会計年度任用職員の諸条件改善を図ること。
◎市民要求実現のための重点要望事項
1.人口減少に少しでも歯止めをかけるためにも、①上下水道料金を引き下げること。②介護給付費準備基金も活用して、介護保険料を引き下げること。③国民健康保険料における子どもの均等割をなくすこと。 2.「子どもの貧困実態調査」が行われて3年経過したが、関係者の情報交換や勉強会、貧困対策計画策定などにとどまっており、本当に困っている子どもや家庭に届く支援策が実施されていない。県の事業と重ならない具体的な支援策を早急に実施すること。 3.子どもの医療費助成制度は中学校卒業まで無料とし、高校生まで拡大すること。 4.学校給食の無料化の実施と市内在住の高校生・大学生への通学費助成制度を創設すること。また、市の貸与型奨学金制度の大幅拡充と給付型奨学金の創設をすること。 5.シルバーパスの通年化など公共交通政策を前進させること。市内どこでも安心して暮らすための必須条件として、地域特性に適した通学、通院、買い物のための交通手段を確保すること。バス路線再編のみならず、それを補完する多様な交通対策を拡充すること。過疎地域の特性・実情に対応した交通対策および通院・買い物等の移動手段を確保すること。 6.維持補修費を増やし、公園や道路の整備について市民要求にこたえること。 7.空き家活用対策を拡充すること。 8.介護保険の運営に当たっては、利用者が望むところへ入所等ができるように地域間格差をなくすとともに、低所得者も利用しやすい介護施設を増設すること。 9.新型コロナ対応の支援策で、住宅リフォーム助成は大変好評で需要が多いことが明らかになった。また、店舗リフォーム助成制度の創設も仕事起こしとしても有効である。市民の良好な住環境の保全と地域経済全体の活性化につながるこれらの制度を拡充・創設すること。 10.公共事業の発注に当たっては、小規模工事等希望者登録制度を創設し発注の公正および地元業者の育成を図ること。 11.市発注の契約については地元発注最優先を貫くこと。公契約条例を創設して市民の雇用の場を拡大し、安定した賃金の確保を行うこと。 12.学校給食への地産地消を推進するために、市内産食材供給システム(市内産農産物買い取り契約栽培推進と安定供給体制)を構築すること。 13.第一次産業への就業を希望する移住者支援策を拡充するとともに、空家紹介や未利用農地活用斡旋の現場対応を強化すること。 14.特牛魚市場の給油口増設への支援とあわせて水産物卸売業務に関わる市場使用料の減免対応を検討すること。 15.トビイロウンカ被害田救済対策を具体化すること。 16.外国人労働者の受け入れ拡大が始まったが、市内の外国人在住者数や生活実態を把握するとともに、外国人の学齢期の子どもの学習権を保障するために、公立学校への入学手続きを周知徹底すること。 17.幼児教育・保育の無償化に当たって本市は副食費を実費徴収しているが、全国の多くの自治体で無償化しつつある。給食は保育の一環であり、一定の条件のこどもだけでなくすべての子どもの副食費の無償化を行うこと。 18.幼児教育・保育の無償化に当たっては、山口朝鮮初中級学校の子ども達も含むすべての子ども達を対象とすること。 19.「私立外国人学校補助金交付要綱」に基づき、山口朝鮮初中級学校に対する補助金交付を行うこと。 |
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